作り方について

編み方

網代編み、四つ目編み、六つ目編み、透かし編み、鹿の子編み。伝統的な編み方は知っていますが、実際によく使うのは四つだたみ編み花結びの二つです。

四つだたみ編み

立体成形の作品の土台になっている、密で規則的な編み地です。紙で角を出せるのはこの編み方です。

花結び

丸みのある作品の表面にある、結び目の立体的な模様です。編みながら一つずつ結んでいくので、後から付けたものではありません。

そして、これがいちばん難しい編み方です。どの編み方が難しいか聞くと、迷わず花結びと答えました。

形と力加減が難しい。

一つひとつの結び目を同じ強さで引かないと、全体の形が歪みます。治具も寸法もなく、手の感覚だけで揃えていきます。

装飾的に見える技法が、いちばん難しい技法でした。

形はどう保たれているか

ワイヤーも、樹脂の芯も、底に貼る当て板も入っていません。

形は編み方だけで保たれています。立ち方を編み方で調整しているそうです。どう変えるかは「センスだと思う」とのことでした。

ここは理解しておく価値があります。板が入っているから角が出ているバッグは、板が壊れるまで角を保ちます。編み方で角が出ているバッグには、壊れる部品がありません。

巻き手

紙バンドを巻いた太い持ち手は、一巻きずつ手で巻いています。長さによりますが、1本で1時間弱。

2本で午前中がほぼ終わります。バッグの本体は、まだ何もできていません。

うまくいかなかったとき

途中から直すことはできないので、解いてやることはない。ゼロから作り直しか、他の作品に切り替える。

編み間違いは構造的なもので、気づいた時点ではもう手前に戻れません。だから作り直すか、別のものにするしかない。

だから一点ずつしかなく、そして時間がかかります。今あるものは、うまくいったものです。

素材について

紙バンドは M’s factory(国内の手芸材料メーカー)のものです。同社の公式サイトの記載によれば、原材料は牛乳パックや古紙などの再生紙、および天然パルプです。

もともとは段ボール箱を結束して輸送するための荷造り紐として作られた素材です。丈夫さの理由はここにあります。

ストラップ・タブ・縁は合成皮革(動物由来素材は使用していません)、金具はアンティーク仕上げの真鍮です。

ストラップの交換について

古くなったストラップを交換できるか聞きました。答えは「できない」で、その理由が答えそのものより良いものでした。

色味が変わるので推奨しません。

6年使ったバッグは、色が変わっています。今作ったストラップは変わっていません。色の合わないものをお渡ししたくない、ということです。

ストラップは一般的な真鍮の回転ナスカンで留まっているので、ご自身でお選びいただいた別のストラップを付けていただけます。金具のサイズはお問い合わせいただければお伝えします。